VOL.1 「Made in New England」の源流

ニューイングランド地方は、アメリカのテーラリング文化が誕生し、世界に影響を与え続けてきた聖地。産業革命から始まった繊維産業の歴史、名門大学のキャンパスで育まれた独自のスタイル、そして100年近くにわたって受け継がれてきた職人技術。これらすべてがニューイングランドの地で融合し、「アメリカントラディショナル」や「アイビースタイル」と呼ばれる文化を創り上げました。

1790年代、若きイギリス人サミュエル・スレーターは、イギリスの産業機密であった紡績技術を記憶に留めたままアメリカに渡り、ロードアイランド州ポータケットに最初の紡績工場を設立し、彼は後に「アメリカ産業革命の父」と呼ばれることになります。

そして19世紀に入ると、ニューイングランド地方、特にマサチューセッツ州は繊維産業の一大中心地として繁栄しました。フォールリバーは1875年までにアメリカ最大の繊維製造センターとなり数多くの工場が川沿いに立ち並びます。この産業基盤が、後のテーラリング文化の礎となったのです。

ローレンスとハバーヒルもまた繊維産業の黄金時代を体現する都市でした。エバレット・ミルズをはじめとする巨大な工場群は、ニューイングランドの産業力の象徴であり、働く何千人もの職人たちが、アメリカの衣料品産業を支えていたのです。

Southwickはこの豊かな伝統の重要な一翼を担ってきた存在です。1929年にマサチューセッツ州ローレンスで創業されて以来、ニューイングランドの職人気質と品質へのこだわりを体現した服作りを続けてきました。

1900年代初頭、Southwickの創始者であるニコラスとヴィート・グリエコ兄弟は、イタリアの小さな村からアメリカへと渡りました。2人は、ブルックリンでスーツのプレス業を営んだのち、ニューヨークで洋服の仕立て屋を成功させました。しかし第一次世界大戦の勃発により、店を閉じることに。彼らはマサチューセッツ州に移り、別の製造業者のもとで働きながらテーラーとしての技術を磨き、大量生産技術を研究していきます。そして1929年、Southwickの前身となる「グリエコ・ブラザーズ」をローレンスに設立したのです。

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